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2011年4月29日金曜日

誇り(pride)

その非常に困難な第一関門を抜ければ、先が見えてくると思っていた

こんな泥沼が延々と続くとは予想しなかった

地獄の福島第1原発


3月19日東京消防庁での会見をニュースで見た

福島第1原発3号機への放水任務を終えて東京に戻った緊急消防援助隊の会見だ

もしかしたら死ぬかもしれない

自分はともかく、若い隊員やその家族、日本の国のため失敗は許されない

そんな決死の覚悟があったに違いない


NHKニュースより



右端は東京消防庁第8方面ハイパーレスキュー隊の高山幸夫総括隊長

昨年の秋に高山総括隊長の講演を聞いた


高山氏はレスキュー畑をずっと歩んできた

数々の恐ろしい現場を経験、部下を育ててきた

現場にこだわり続けた

この年までオレンジを着れるのは幸せだ

さらに息子がレスキュー隊員になった

親子2代でのオレンジのツーショット

東京消防庁広しと言えどもこんな親子は俺たちしかいない



ひとを助ける仕事に対する誇り

高山氏の誇りを感じて自分もこうありたいと思った


もっと危険で、過酷な仕事をしている東電関連職員にもマスコミはスポットを当ててよい

2011年4月25日月曜日

滑落

それは4月の晴れわたった休日の午前

『これから雪崩に巻き込まれた2名が湯沢より救急搬送されてきます!』

前夜にも大きな地震が起きていた

雪が崩れやすくなっていたのかもしれない



湯沢から搬送されてくる場合は近隣の病院を断られ、

峠を越えてやってくるのがいつものパターンだ

事故発生から時間がかなり経っていることが予想された



1名は血圧50~60のショック状態との連絡が入る

救急車のサイレンが近づいてきた

外に救急車を迎えに出ると、そこにはテレビカメラマンが既に待っていた


NHKニュースより



救急車の後ろを開けると、血だらけの負傷者が横たわっていたが2本の静脈ルートがとってあった

1500mlの輸液がされていた
 


県警ヘリが救助した後、直近の医療センターで負傷者のトリアージと輸液がなされていたようだ

医療センターに感謝!



既にショックは脱していた 

レスポンダーだ



直ぐに手術になり、命の危険は去った


尋ねてみると 上方の雪庇の柔らかい雪が崩れてきてそのまま200m下に滑落したという

夜のNHKニュースで放送された山の映像をみて驚いた




NHKニュースより



よく生きていたものだ!

2011年4月17日日曜日

想定外

市内で火事があった

消防車のサイレンが鳴りひびいていた



病院の窓から外を見てみると

黒煙がもうもうと空へのぼって、大きな火柱が立っていた


立ち上る黒煙


ここからはかなり距離がある

だがふと東北大震災のことが頭に浮かぶ



想定外の巨大津波

過去にはここまでしか津波は来ていない

という想定外


もしもこの火事が病院のすぐ近くだったら
もしも爆発が起こったら
もしも有害な煙が院内に入ってきたら
もしも全員の避難が無理そうだったら
もしも・・・・



ネガティブに考えポジティブに行動する

災害には必要なことである

もう一度病院の災害マニュアルを見直そうと思う

2011年4月13日水曜日

AED

ある日の午後、入院中のAさんが急変した
CPA!

胸骨圧迫開始

AEDが来てパッドをはる

『解析中です』


AED

しばしの静寂


『ショックが必要です』
『充電中です』
『患者から離れてください』

ショック!

Aさんのからだがビクッとはねた  


再度胸骨圧迫開始

20秒後 Aさんの明らかな体動がみられた
頸動脈 拍動は良好

除細動成功!     
クオリティーの高いCPRと迅速なAEDの使用がものをいう

解析波形

解析波形での最終波形はVTであった (CPAなのでもちろん脈なしVT)

AEDは自動的に同期除細動をしていた

心電図波形のT波の部分に放電するとVFに移行してしまうことがある
これを避けるためAEDがR波の直後に自動で放電しているのである




除細動成功
 
放電の後、正常なQRS波形が出現
この時点ではまだPEAであろう

その後自己心拍が再開し体動がみられた

BLSインストラクター希望のナースのお手柄であった