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2011年6月11日土曜日

つつがなしや

5月の連休があけるとこの地域ではそろそろこの季節がやってくる

ツツガムシ病の季節だ


年に10件ほどだが診断が難しいこともある

主訴は発熱で、肺炎や尿路感染などはない

皮膚に発赤が見られることも多い 赤ら顔のように見えることが多い


以前こんなことがあった

発熱の原因はよくわからいが、とりあえず入院

抗生剤治療をする(セフェム系やペニシリン系がほとんど)がよくならない

どんどん悪化してくる

・・・・

こんな時に救世主があらわれた

「先生、刺し口みたいのがありましたよ」

看護師がツツガムシ病に特徴的な刺し口を見つけてくれたのだ


ツツガムシ病の刺し口 


これでもう診断がついたも同然

普段使わないテトラサイクリン系の抗生剤を使えばすぐに良くなってくる

ちなみにニューキノロン系は全く効かない



刺し口は直径が数mm~1cmでカサブタのようになっている

からだのどこかに1ケ所あるのだが、尻の割れ目の中にあったこともある

刺し口は痛くも痒くもない 

自分で気付くひとは少ない



過去には信濃川河川敷に注意と言われたが、

今では危険エリアは非常に拡大している

リッケチアがツツガムシというダニによって媒介され感染が成立する


ツツガムシ


有毒ツツガムシの比率は0.1~3%とされている

ツツガムシはとても小さく肉眼でみるのは困難である

リッケチアはさらに小さくミクロンの単位だ



病気を診断するのはもはや医師だけではない

これからの医療はチーム医療であると強く感じた